2006年03月31日

川柳系

 薩摩狂句は、他の方言系雑俳以上に方言を使用しているが、また笠附系でなく、前句付系で川柳に近い、と磐井さん。
 形式が俳句や川柳と同じため、方言でアイデンティティーを、とも。
 方言によるハンデは、漢字表記でカバー、と。
 鹿児島方言についての解説も、本文では収録されている。
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2006年03月30日

三条風雲児『薩摩狂句』から

 磐井さんが17句引いているものの打ち、作者名を落とし、印象に残った句を掲げる。

寝白粉襟の処女毛(ねこげ)い降った如(ご)っ
言(ゆ)えば騒動(そど)言わんにゃ胸が治まらじ
自棄酒(やけざけ)い優し意見の膝枕
古(ふい)墓ん主(ぬ)しゃ十八(じゅうはつ)で苔が寄っ
産まん如(ご)っして産まん如っして七人目
拳骨の角(かど)で涙(なんだ)を押し戻でっ
人形(にんぎょ)入れま一度(いっど)棺に取いすがっ
想夫恋火遊(あす)ぶすそな顔(つら)もあっ
短気者金釘(く)ぎゃずるっ打っ曲げっ
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2006年03月29日

薩摩狂句の代表句

木強漢(ぼっけちん)刀(かつな)ん尖端(さつ)で髭を剃(そ)っ 森艶亭

 木強漢とは武骨とか乱暴者、と磐井さん。
 鹿児島弁使用も徹底、とも。
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2006年03月28日

薩摩狂句・日向狂句

 狂句の最終コーナー。および、本書読解もいよいよあとわずか。2冊めがスタンバイ中。
 鹿児島新聞記者の薩摩狂句が6句、磐井さんによって掲げられているところから、印象に残ったものを、作者名を落として引く。

電話口ハイ左様(さよ)ならと頭(びんた)打ち
チリンチリンデデ電話だと吃(どもり)いい
あ痛よーノサンと娘尻を撫で

 
 
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2006年03月27日

肥後狂句の作り方

 中島一葉が挙げているのを、磐井さんが掲げているのを、そのまま再録。
 なお、興行は特に特徴なし、とも。

 笠の重点を掴む
 笠と付け句の言葉の釣り合い、しかしダブらぬこと
 句に脈拍を与える
 人に擬する
 含みのある句([カッコ内省略])
 作句上の秘訣は対句
 推敲の大切さ
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2006年03月26日

自句自注は嫌だが

 自注は読まず、印象に残った作品のみ、作者名をあえて落として引く。

不甲斐なさ、男女同権ちう亭主
さすが馬鹿、税務署にホラ吹イたげな
忘れた頃、判決のある大事件
読み直し、母が嘘字のなつかしさ
此の道行けば、滝の方からおめきます
やせたなァ、あの人の夢見るどだい
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2006年03月25日

見え始めた独自性

 14句、磐井さんによって掲げられている中から、作者名をあえて落とし、印象に残ったものを引く。

気味よし気味よし/盥ィたぎる汚れシャツ
おつ取り刀/禿が腕ェ力負け
困る困る/こぎやん女子のほるるなら
そりばつてん/煩悩のあるおごりよふ
笑ひなはんな/後家でおるなら茶も湧かん

 方言がらみは、印刷でなく口頭伝承かとも。
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2006年03月24日

肥後狂句

 笠題は5文字に限らず長短があり、12文字の付句を読むので、狂俳などと同じでありながら、「人情風俗、世の移り変わりを詠む」と、磐井さん。
 次の実例がおもしろい。

イヤッ 膝枕だけちゅうといて 
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2006年03月23日

興行

 『土佐句集』から8句、磐井さんが引いているものから。

秋/月天窓に冴へて菊の乱満
秋/明媚を描く月に遊ぶ学童
旅/運河天かと地中海の探検
旅/陸の大関常陸山健足
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2006年03月22日

なる おるの内

 語尾が四という律はなかなかなじみにくいという磐井さん。
 で、末期の昭和30年代の、表題の句が並んでいるところから、印象に残ったものを引く。

花盗人が七重八重にする漆
前途打開を神に祈る柏手
青葉むしって乳母の作る麦笛
囲碁の座涼し耳を打つ風鈴
九仞の功一箕を欠かぬ築山
水垢離の音継母浴びる冷汗
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2006年03月21日

古調と新調

 明治を前後に違う、と磐井さん。
 挙がっている中から、印象に残ったものをここに。
 題の後に/が入っているのは磐井さんのとおりにした。
古調
桜/ひらひらと来て盃に浮く興
出る/蚊屋にはいれぬ月の誘ふや涼風
新調
広い/地球を包む空色の風呂敷
学校遠足/への字くの字で生徒等が行きよる
しんどい/汗を絞ってこがねしめる油屋
百姓の貧乏/藁喰ふ年に泣いて渡す馬牛
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2006年03月20日

土佐狂句の発生

 季題や切れ字を要求しない、七六四か七五四の形式の雑俳、と磐井さん。
 厳密には笠付ではないが、笠題の独立の度合いの考え方からして、いちおうその流れで見る、と。
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2006年03月19日

C開巻

 80ほどの賞、と磐井さん。点頭者は米何俵、とも。
 賭博性が持たせた文芸とも。
 朗誦でも残った、と。
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2006年03月18日

B選評

 本評と花評、と磐井さん。
 探題は「評号」とも。
 高点作者でなく、高点作品が評価されると。
 一位の「点頭」を長い生涯に4回も取れば、名人だとも。
 ともあれ、多くの選者に取られれば、優勝、と。
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2006年03月17日

A投稿

 一人50句という制限もあり、高め、と驚く磐井さん。
 制限なしの場合、一人で数百、とも。
 雑俳人口の数より多い、と。
 生涯、数十万句という伝説も、と。
 巻本での資料性の面では問題のある、短冊での選、とも。
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2006年03月16日

淡路雑俳の興行 @準備

 定例的な「研究会」などがむしろ中心、と磐井さん。
 大規模だから「大会(おおがい)」と呼ぶ、というのが興味深い。
 主催は「会林」。前回の点頭者、と。
 選者は「宗匠」「大雅」「雅伯」であるが、最近は「宗匠」は通称、と。
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2006年03月15日

現代性

 広岡丘房の評論が磐井さんによって引かれているが、ここでは略し、13句引かれた中から、またあえて名は落として、印象に残ったものを掲げる。

一杯 心得て出るお茶がわり
デート 猫も負けずに屋根の上
時計遺品悲しい時を指し
ずるずると憎い男の飯を炊き
母 いつの間にやら小さくなり
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2006年03月14日

切れの重要性

 川柳と違って、滑稽な句ばかりではなく、十分、俳句に対峙できる、と磐井さん。
 それには、表題のようなことも、とあって、5人から各1句を引いているが、あえて名は落として3句をここに。

ないのです払わんと言わない
パパのバリカン半泣きの虎
毛皮の中にツンとした顔
posted by 木村哲也 at 02:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月13日

豊田一松『淡路はいかい膝栗毛』から

 磐井さんが14句選んだもののうち、小生が特に好むものを、作者名はあえて落として引く。

汗拭いて また汗になるものを飲み
らしいなあ この底冷えはどこか雪
春の雨 石もふくらむ様に降り
蝶の仏に何をささやく
あきらめておりますと目に露
posted by 木村哲也 at 06:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月12日

雅交会点頭句から

 滑稽句でないことに注目、と磐井さん。なお、作者名はあえて略した。

につこりと 女給冷めたい手を委せ
車内を泳ぐように改札
何を求めるための口紅
歌手夢見て双児育てる
posted by 木村哲也 at 04:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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